前妻の子に相続させない方法はあるのか

掲載日:令和3年3月4日

前妻の子も相続人になる


そもそも論として、前妻との間の子は相続人になるのか、という問題があります。

 

結論からいうと、前妻の子も相続人となります。

両親が婚姻関係のままだろうが離婚していようが関係なく、子は親を相続します。

前妻の子であっても相続人になる、ということは覚えておいてください。

 

そうなると、なるべくなら前妻の子には遺産を渡したくない、後妻やその子に遺産を相続させたい、と考える方もいらっしゃることでしょう。

 

今回は、前妻の子に相続させない方法について解説していこうと思います。

生前贈与をしておく


遺産となるのは、その方が亡くなった時点で所有していた財産です。

 

なので、亡くなる前に後の配偶者やその子に財産を贈与しておけば、その財産は遺産ではなくなるので、前の配偶者との子が相続することはありません。

 

いわゆる生前贈与と呼ばれるものです。

しかし、生前贈与した財産は、仮に前の配偶者との子と遺留分の関係でトラブルになった場合に、遺産として扱われてしまう可能性が極めて高いです。

 

理由についての詳細を述べるのはここでは避けますが、こういったこともあるため、生前贈与は正直あまりお勧めはしません。

 

また、贈与をする場合には贈与税のことも頭に入れておく必要がありますし、仮に不動産を贈与する場合には、贈与税に加え高額の登録免許税(名義変更をする際に支払う税金のことです)もかかってきます。

 

費用もかかるうえ、その割に期待できる効果が薄いため、生前贈与というのは現実的ではないでしょう。

遺言書を書いておく


遺言書を書いておく、という方法も考えられます。

遺言書があれば、相続人による遺産分割協議をする必要がありません。

 

「遺産は後の配偶者やその子に相続させる」旨の遺言書を書いておけば、前の配偶者との子が関与せずとも、その遺言書を使って不動産や預貯金などの相続手続きが可能ですので、非常に効果的といえます。

 

贈与するよりも費用が大幅に抑えられる点も、遺言書を書くことのメリットです。

 

もちろん、遺言書を書く場合にも遺留分は考慮しなければなりません。

しかし、遺留分については以下の3つのポイントを押さえておいてください。

ポイント1:請求されない限り遺留分は支払わなくていい

そもそも遺留分というのは、請求(遺留分侵害額請求)をすることではじめて支払ってもられるものです。

つまり、請求されない限りは何もしなくてもいいのです。

 

遺産に興味がないとか、遺産はいらないなどといった理由で請求してこないということもあり得ます。

ポイント2:遺留分は法定相続分よりも少ない

前の配偶者との子が1人、現在の配偶者との子が2人いるとしましょう。

このケースの場合、各相続人の法定相続分は、配偶者が6分の3、子がそれぞれ3分の1ずつとなります。

 

そして、このケースでの遺留分は、法定相続分のさらに2分の1です。

つまり、前の配偶者との子に認められる遺留分は、3分の1×2分の1=6分の1です。

仮に遺留分の請求をされたとしても、渡さなければいけない額は法定相続分よりは少なく済みます。

 

遺言書を作成しておけば、100%相続させないことは確実でなくても、相続させる額を減らすことは確実にできるのです。

ポイント3:不動産を確実に相続させたい場合は有効

遺留分を請求された場合は、原則として金銭での支払いで対応することとなります。

 

遺産が不動産しかない場合でも、その不動産(の持分)を渡す必要はありません。

 

つまり、現金や預貯金はともかく、不動産は後の配偶者やその子に確実に相続させたいという場合には、遺言書を書くことは極めて有効といえます。

 

ただ、不動産以外にめぼしい財産がない場合に、遺留分の請求をされると、結局不動産を処分たりといったことになりかねませんので、その点は注意しておく必要があります。

よく考えたうえで対策しましょう


今回お話しした件は、どうするのかをよく考えて決めないと、かえって事態をややこしくしてしまうことにもつながりかねません。

 

なるべくなら前妻の子に相続させたくないという気持ちは十分理解できますが、慎重に考える必要があります。

専門家に相談しつつ、対策を進めていくことが重要です。

 

 

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