相続とは

掲載日:令和4年1月20日

そもそも相続とは?どういったものが遺産になる?


今更な感もありますが、今回はそもそも「相続」とは一体何なのかについて解説していこうと思います。

 

「相続」とは、亡くなった人の財産をはじめとした、様々な権利義務の一切合切を配偶者や子などが受け継ぐことをいいます。

 

不動産や預貯金、株などのプラスの財産が相続の対象、つまり遺産になるというのはお分かりだと思います。

しかしそれだけでなく、一切合切ですので、借金といったマイナスの財産も相続の対象となります。

 

つまり、亡くなった方が債務を抱えていた場合、相続人がその債務を受け継ぐことになります。

 

ちなみに、以下のようなものは遺産には含まれません。

 

【遺産とならないものの例】

・死亡保険金

・死亡退職金

・遺族年金  など

 

これらの受け取りは相続人固有の権利という扱いになりますので、遺産には含まれないのです。

債務の相続について


不動産や預貯金などと違い、債務の相続は少し性質が異なりますので、それについても合わせてご説明しておきます。

 

基本的に、債務は相続が発生すると法律上当然に相続人に分割され、相続人がそれぞれの法定相続分に基づきこれを受け継ぎます。

遺産分割協議がされていなかったり、遺言書がないという場合でも、いわば自動的に分割されるのです。

 

少々分かりにくいかと思いますので、具体例を挙げます。

 

亡くなった方の借金が200万円で、相続人が配偶者と子2人の計3人としましょう。

 

このケースでは、法定相続分が配偶者は2分の1、子はそれぞれ4分の1です。

なので、配偶者は100万円、子はそれぞれ50万円を負担することとなります。

 

仮に、債権者が配偶者に対し総額である200万円の支払いを要求したとしても、配偶者はそれを拒否することができます。

100万円だけを支払えばよいのです。

 

債務にはこういった性質がありますので、例えば相続人の1人が債務をすべて負担するといったような遺産分割協議をしても、これはあくまで相続人間の中でのみ有効であって、債権者に対してはそれを主張することはできません。

 

遺産分割協議の内容に従う義務は債権者には全くありませんので、相続人は基本的に法定相続分に従った額の請求を受けることを免れません。

 

ただし、債権者が承諾さえすれば、債務を遺産分割協議に含めることは可能です。

実際、遺産分割協議に「債務は全て相続人○○○○が負担する」といった記載は頻繁になされています。

誰が相続人となるのか?


次に、誰が相続人となるのか、いわゆる法定相続人について解説します。

 

まず、配偶者は、無条件で相続人となります。

 

子がいる場合は、配偶者と子が相続人となります。

離婚等で配偶者がいない場合は、子のみが相続人となります。

 

もし子がいない場合は、直系尊属が相続人となります。

直系尊属とは、自身とは前の世代でなおかつ直通(縦の流れ)の関係の者といい、父母・祖父母などがこれにあたります。

叔父・叔母は縦の流れではありませんので、直系尊属には含まれません。

配偶者がいない場合は直系尊属のみが相続人となり、配偶者がいる場合は配偶者とともに相続人となります。

 

そして、直系尊属もいない場合には、兄弟姉妹が相続人になります。

配偶者がいなければ兄弟姉妹のみが相続人となり、配偶者がいる場合は共同で相続することとなります。

 

まとめると以下のとおりです。

 

【相続人の順位】※配偶者は無条件で相続人

第1順位:子

第2順位:直系尊属

第3順位:兄弟姉妹