掲載日:令和3年1月15日
ご存知の方もいらっしゃるでしょうが、相続放棄には3ヶ月の期限があります。
ただこれについては、「3ヶ月」という言葉だけが独り歩きしてしまっているように感じます。
正確に言いますと、相続放棄の期限は自己のために相続があったことを知ったときから3ヶ月以内です(民法第915条)。
「自己のために相続があったこと」が少しややこしい言い方ですが、仮に親が亡くなったとして、要は「親が亡くなって自身が相続人になったこと」ということです。
そのことを知ってから3ヶ月というのが相続放棄の期限です。
つまり、親が亡くなったことを知らない限りは相続放棄の期限が過ぎてしまうことはありません。
3ヶ月と言っても、亡くなってから3ヶ月ではないのです。
とはいえ、縁を切っていたとかそういうことでもない限り、亡くなったことはすぐ知ることになるでしょうから、早めに相続放棄の手続きをしなければならないことには変わりありません。
一方で、「自己のために相続があったことを知ったとき」に関連して、こういったケースもあります。
case:兄弟が亡くなった。亡くなった兄弟には子どもがいたが、相続放棄をしたため、自分が相続人となった。
結論から申し上げますと、このケースでの相続放棄の期限は、兄弟の子どもが相続放棄をしたことを知ったときから3ヶ月となります。
この方は、兄弟の子どもが相続放棄をしたことによりはじめて相続人となった=自己のために相続があったわけです。
ですので、兄弟の子どもが相続放棄をしたことを知ったときが、相続放棄の期限の起算点になるのです。
亡くなった方がどれだけの財産(借金などの負の財産も含みます)を有しているか調べるのに時間を要するなど、3ヶ月では相続放棄をするかどうかの判断が難しい場合もあろうかと思います。
そのような場合のために、相続放棄の期限を延長することが認められています。
期限の延長も、家庭裁判所に対し申立書を提出することにより行います。
期限の延長の申立書には、申立ての理由を記載しなければなりません。
もちろんですが、理由はそれなりのものである必要があり(先述した財産の調査に時間がかかる場合など)、ただ単に手続きを忘れていたなどという理由では、期限の延長は認められませんのでご注意ください。
また、当たり前ではありますが、期限の延長の申立ても自己のために相続があったことを知ったときから3ヶ月以内にしなければなりません。
専門家への相談も含め、対応はお早めにされることをお勧めいたします。
親族が亡くなられたにもかかわらず、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により期限内に相続放棄ができない場合には、期限の延長を家庭裁判所に申し立てることができます。
期限延長の申立てをせず、期限が過ぎてしまった場合は、亡くなられた方の借金等も含めすべて相続することになってしまいますので、早めに対応するようにしましょう。
なお、こちらについても、期限延長の申立ては3ヶ月の期限が過ぎる前にしなければなりませんのでお気を付けください。
司法書士池部有哉事務所では、相続放棄に関するご相談を承っております。
申立書の作成及び提出、その他家庭裁判所に提出しなければならない戸籍謄本等の収集もお任せいただけます。
ご相談だけでももちろん構いません。
相談料は無料です。
また、お急ぎの方のために、営業時間外や土日祝日も可能な限り対応いたしますので、相続放棄をすべきかお悩みの方や期間の延長をしたいという方は、ぜひ当事務所までお気軽にご相談ください!
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