相続登記を放置するとどうなる?

掲載日:令和3年3月23日 最終更新日:令和3年6月22日

はじめに


相続登記(相続による不動産の名義変更)は、いつまでにしないといけないという期限が現時点ではありません。

それに、皆さんからすれば必要性がいま一つピンとこないところもあるでしょうから、ついつい放置してしまっているという方、多いのではないでしょうか。

 

今回は、相続登記を放置するとどうなるのか、デメリットやリスクについて解説していきます。

相続登記をしないと売却できない


相続登記をしないと売却することはできません

相続した不動産を売却するためには、まず相続登記を済ませておかなければなりません。

 

不動産の名義人が亡くなれば、その時点で実体上所有権は相続人に移ります。

その後売買が成立すれば、相続人(=売主)から買主に所有権が移る、という流れです。

この所有権の流れを登記簿に忠実に反映させなければならないとされているため、売買に先立って相続登記が必要になってきます。

 

このことをお客様に話すと、たまに「えっ」というリアクションが返ってくることがあります。

 

ですが、よく考えてください。

亡くなった方が売主になることはできません。

不動産の売買でも、売主から買主への名義変更が行われることになるわけですが、亡くなった方名義のままでは、登記所(法務局)は売買での名義変更を受け付けてくれません。

 

相続した不動産の売却を考えている方は、いずれ必要になるのですから、早めに相続登記をしておいた方がいいです。

放置していると相続人はどんどん増えていく


放置していると相続人は増える一方です

不動産の名義人が亡くなれば、所有権はその相続人に行くわけですが、その相続人も亡くなってしまうと、更にその相続人にといったように、放っておくと相続人はどんどん増えていきます。

 

上の図のような感じです。

 

これの何が問題かというと、相続登記というのは相続人全員の関与が必要なのです。

具体的にいうと、遺産分割協議書に相続人全員が実印を押し、印鑑証明書と一緒に登記所(法務局)に提出しない限り、相続登記はできません。

 

相続人が増えすぎてしまうと、相続人全員に実印を貰い、印鑑証明書を集めるという作業がすごく大変です。

さらに、相続人が増えれば、手続きに非協力的な人や、権利をよこせと言ってくる人が出ないとも限りません。

 

そういった人が一人でもいるだけで、手続きが先に進まなくなってしまいます。

弁護士を立てないといけなくなり、事態が長期化してしまうなんてことも十分考えられます。

 

先述のとおり、相続登記を済ませないと売却はできません。

売却したいのに、放置してしまったがために相続人が増えすぎてしまい、前段階である相続登記の手続きの方が進まないなんてことは決して珍しくありません。

 

そして、どうしようもなくなってさらに放置されてしまい、ただ固定資産税を払い続けるしかないという、いわゆる「負動産」になってしまうのです。

いざやろうとしたときに余計な手間や費用がかかってしまう


いざ相続登記をやろうとしても、しばらく時間が経っていると余計な手間や費用がかかってしまう可能性が高まります。

 

相続登記をするには、亡くなった方の出生から死亡までの全ての戸籍が必要なのですが、相続人の方も亡くなっている場合には、その相続人の方の全ての戸籍も必要になってきます。

 

戸籍謄本は1通450円、除籍謄本や改製原戸籍(古い戸籍のことです)は1通750円かかります。

相続人も亡くなっていたりすると、戸籍だけでも結構な金額になってしまいますし、集めること自体も大変です。

 

それに、放置して様々な問題が発生すれば、解決のための手間がかかります。

専門家の手を借りることになれば、それなりの費用を覚悟しておく必要があります(難しい案件ほど、専門家へ支払う報酬は高くなるのが通常です)。

 

一方、まだ亡くなって日が浅い場合は、相続登記の手続きはそこまで難しくはありませんから、司法書士に頼んだとしても、費用は比較的少なく済みます。

 

費用を惜しんで放置するよりも、早めにやっておいた方が結果的に手間や費用も少なく済むことが多いのです。

相続登記は早めに済ませたほうが絶対いいです


ここまで、相続登記を放置することによるデメリットやリスクについてお話ししてきました。

こうしたデメリットやリスクを回避するためにも、相続登記は早めにするのが大切だということ、ご理解いただけましたでしょうか。

 

相続登記に限った話ではありませんが、いずれしなければならないことは早めにやっておいた方がいいです。

それに、相続登記を放置することは、それにより起こりうるデメリットやリスク、さらに費用面での負担についてを下の代へ強いることになるということを認識していただければと思います。

追記:相続登記が義務化されることとなりました


令和3年4月21日、改正法が成立し、相続登記が義務化されることとなりました。

 

期限は亡くなってから3年以内とされ、違反した場合は10万円以下の過料に課されてしまいます。

改正法が施行されるのはまだ少し先ではありますが、施行前に登記名義人が亡くなっている不動産についても期限が適用されます。

 

放置しててもいいというのはこれからは通用しなくなりますので、現時点ですでに登記名義人が亡くなっているという場合は早めに相続登記を済ませておきましょう。

 

司法書士池部有哉事務所でももちろん相続登記に関するご相談をお受けいたします。

初回のご相談は無料、お見積もりも無料で承りますので、遠賀郡や北九州市及びその周辺地域の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください!

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