みなし解散がされる前に取締役が死亡していた場合どうなるか

以下のような株式会社があるとしましょう。

 

① 取締役会設置会社及び監査役設置会社

② 取締役が3名、監査役は1名

③ 平成20年に役員の重任登記をして以降、一切の登記をしていなかった(役員の任期は定款により10年とされている)

④ 令和3年にみなし解散の登記を入れられてしまった

 

みなし解散の登記がされれば、取締役(代表取締役も)の登記は職権により勝手に抹消されます。

しかし、みなし解散の前に、取締役のうち1人が死亡していたという場合、一体どうなるのでしょうか。

 

この点、すでに職権で抹消されているのですから、退任の登記をする必要はないようにも思われます。

 

しかし、死亡していた取締役につき、みなし解散により取締役の登記が抹消されたという事実は実態と合致していません。

 

ですので、法定清算人の就任の登記の前提として、取締役の退任の登記をする必要があります(法定清算人の就任の登記を同時にしてしまうのが一般的でしょう)。

 

この退任の登記については、通常の退任の登記と同様です。

 

例えば平成28年4月1日に亡くなっていた場合、登記すべき事項は以下のような振合いになります。

取締役○○○○ 平成28年4月1日死亡

 

一方、令和2年4月1日に亡くなっていた場合は、以下のような振合いです。

取締役○○○○ 平成30年6月30日退任

 

3月決算の会社と仮定しています。

令和2年に亡くなっていた場合、その取締役は平成30年に任期満了していますが、取締役役会設置会社かつ取締役が3名しかいませんので、権利義務取締役ということになります。

 

死亡したことによりはじめて退任の登記が可能ということになりますから、退任の日付は本来退任すべき日となるのです。


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