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医療法人の理事の任期

会社ほどではありませんが、医療法人の理事長の変更登記というのもたまに依頼があります。

 

医療法人の理事の任期については、法改正が絡んでいることもあり少しややこしいので、ここでまとめてみようと思います。

 

まず、医療法人の理事の任期ですが、平成19年4月1日の医療法改正により2年を超えることができないものとされました(それまでは任期に関する規定なし)。

 

現在はさらに法改正があり、医療法第46条の5第9項に定めがあります。

 

 

【医療法第46条の5第9項】

役員の任期は、2年を超えることができない。ただし、再任を妨げない。

 

 

このように、医療法人の理事の任期は2年を超えることができないのですが、法改正に伴う経過措置があることに注意しなければなりません。

 

 

【医療法附則(平成18年6月21日法律第84号)第11条】

この法律の施行の際現に医療法人の役員である者の任期は、新医療法第46条の2第3項の規定にかかわらず、この法律の施行の際におけるその者の役員としての残任期間と同一の期間とする。

 

 

ですので、法改正前に就任した理事については、依然として従前の任期が適用されることになります。

 

医療法人の定款には、以下のような規定がされていることがほとんどです。

 

第○○条 役員は、任期満了後といえども、後任者が就任するまでは、その職務を行うものとする。

 

法改正前に就任した理事については、この規定が適用されると解釈され、その後長年にわたり改選の手続きをしていなかったとしても、依然として任期は満了していないという扱いになります。

 

法改正前から理事長Aが登記されていたが、例えば令和5年5月31日に新たに理事長Bが選任された場合、後任者であるBが選任された令和5年5月31日に、理事長Aの任期が満了し、退任することになります。


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