自筆証書遺言書保管制度について

掲載日:令和4年1月24日

自筆証書遺言書保管制度が始まりました


民法の中の相続法が改正され、その目玉の一つである自筆証書遺言書保管制度令和2年7月10日(金)より開始されています。

自筆証書遺言(手書きの遺言書のことをいいます)を法務局が預かってくれる制度です。

 

これまでは、自筆証書遺言は自身で保管する必要がありました。

 

しかし、それでは遺言書を紛失してしまったり、相続人によって廃棄・隠匿・改ざんされてしまう恐れがあります。

それによって相続をめぐる紛争が生じる可能性も出てきます。

 

そのため、公的機関で遺言書を補完する制度を創設、遺言書の紛失等を防止し、遺言書の存在の把握を容易にすることで、遺言者の最終意思の実現及び相続手続きの円滑化を図ろうというわけです。

 

また、自筆証書遺言書保管制度を利用すると、遺言書の検認をする必要がないというのも大きなメリットです。

 

そんな自筆証書遺言書保管制度の、気になる具体的手続きの内容や費用などをこれから解説させていただきます。

自筆証書遺言書保管制度の具体的内容


1.管轄

保管の申請ができるのは、①遺言者の住所地 ②遺言者の本籍地 ③遺言者が所有する不動産の所在地のいずれかを管轄する遺言書保管所です(自筆証書遺言を預かってくれる法務局のことを遺言書保管所といいます)。

 

ただ、全ての法務局が遺言書を預かってくれるわけではありません。

各都道府県の法務局または地方法務局の、本局と支局のみが遺言書保管所となります。

 

北九州市には、福岡法務局北九州支局(小倉にあります)と福岡法務局八幡出張所の2つの法務局があるのですが、遺言書保管所は北九州支局のみということになります。

 

北九州市や遠賀郡、中間市の方であれば北九州支局が管轄となります。

2.保管の申請の流れ

① 遺言書の作成

当然のことですが、預ける遺言書を作成します。

ちなみに、法務局は遺言書の作成に関する相談には一切応じてくれませんのでご注意ください。

不安だという方は専門家に相談しましょう!

遺言書に関するご相談をしたい方はこちら

 

② 保管の申請をする遺言書保管所を決める

上記のいずれかの遺言書保管所が管轄ですので、どの遺言書保管所にするか決めましょう。

ただし、既に他の遺言書を遺言書保管所に預けている場合には、その遺言書保管所が管轄になります。

 

③ 申請書の作成

保管の申請書を作成します。

申請書の作成は司法書士に依頼することもできます。

 

④ 保管の申請の予約

保管の申請をするには予約が必要です。

予約は、法務局の窓口や電話のほか、予約専用ホームページからも可能です。

⇒ https://www.legal-ab.moj.go.jp/houmu.home-t/

 

⑤ 保管の申請

予約をした日時に、必要書類(後ほど解説します)を持って遺言者本人が遺言書保管所に行き、申請を行います。

必ず遺言者本人が行く必要があります。

代理人による申請は認められていません(もちろん司法書士も代理不可)ので、くれぐれもご注意ください。

 

⑥ 保管証の受け取り

手続終了後、遺言者の氏名・出生の年月日・遺言書保管所の名称及び保管番号が記載された保管証が交付されます。

その後の手続きの際、保管番号があると便利ですので、保管証は大切に保管しておきましょう。

3.必要書類

① 遺言書

遺言書は、複数枚であってもホッチキス止めをする必要はありません。

また、封筒を用意する必要もありません。

 

② 本籍地の記載がある住民票等

住民票等は、本籍地が記載されているものでなければなりません。

取得の際はご注意ください。

また、3ヶ月以内のものでなければなりませんので、あわせてご注意ください。

 

③ 本人確認書類

マイナンバーカードや運転免許証、運転経歴証明書などの本人確認書類を持参する必要があります。

重要ですが、必ず顔写真のついたものでなければなりません。

保険証等しかない場合には、マイナンバーカードを検討しましょう。

4.費用

気になる保管の申請の手数料ですが、手数料は遺言書1通につき3,900円です。

 

支払いは収入印紙によります。

収入印紙は、法務局内に販売窓口がありますので、そこで購入しましょう。

 

ちなみに、保管の申請を撤回して遺言書を返却してもらったり、氏名や住所等に変更があった場合の変更手続きについては、手数料はかかりません。

遺言書作成のご相談なら司法書士池部有哉事務所


ここまで自筆証書遺言書保管制度について解説してきました。

しかし、自筆証書遺言書保管制度はあくまで遺言書を作成してからの最終段階についての話であり、何より肝心なのは遺言書の作成そのものです。

 

自筆証書遺言には要件が法律で定められており、一つでも満たしていないと遺言書は無効となってしまいます。

 

また、遺言書の内容にも気を配らないと、遺言書がかえってトラブルのもとになってしまうこともあります。

 

北九州市や遠賀郡、中間市にお住まいの方、遺言書の作成についてはぜひ司法書士池部有哉事務所までご相談ください。

 

皆さまのお話しを丁寧に伺い、要件を満たしかつトラブルになりにくい遺言書の内容をご提案いたします。

また、自筆証書遺言書保管の申請書の作成から、申請自体の代理はできませんが法務局への付き添いまで可能です。

 

初回のご相談は無料!

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ぜひお気軽に司法書士池部有哉事務所までお問い合わせください!